オルガンの音は牧歌的な懐かしさを感じさせる音ですが、それだけに楽器との相性があるのではないでしょうか?そんな疑問を感じたので、金子さんにお聞きすると、「ドラムが良いですね」という答が返ってきました。オルガンは基本的に持続する音なので、ドラムが多彩なリズムを刻むと、グルーブ感がさらに高まるのでしょうか。トレーノノッテでは階下が自習室になっているため、ドラムはご遠慮願いたいということで、残念ながら聞くことはできませんが。
他の楽器としては、もちろんギター、それにテナーサックスが良いそうです。ジャズ多摩ではお馴染みの鈴木央紹さんとの相性は抜群だそうですよ。いつかお二人の演奏を聞きたいですね。私が意外に思ったのはピアノとのデュオ。金子さんはとても楽しいとおっしゃっています。
私の印象にすぎないのかもしれませんが、オルガンの音はどちらかというと女性的、とくに豊穣な包容力のある女性を思わせるような音に聞こえるとお話しすると、「ヒステリックな音もいくらでも出せますよ」とさらりと言われました。ウェブでのオルガンの説明によると、調整次第で数十種類の音色を出すことができるとか。おまけに、右手でアドリブ、左手でベースラインを弾きながら足鍵盤でアクセントをつける、などと複雑な演奏法なので、同じ曲を弾いても、オルガニストの数だけ音色も音楽も異なるというすばらしい楽器です。
ウェブ上では、金子さんの演奏は都会的センスを感じさせると、定評を得ておられます。私の感じた牧歌的音色+都会的センス=? 答は皆様が直接感じ取っていただければと思います。
さて、馬場孝喜さんですが、変わった経歴の持ち主です。
ギブソン ジャズギター コンテストで最優秀ギタリスト賞を獲得された技術、センスともにすばらしいギタリスト。大阪大学物理学科出身で、相対性理論とか量子力学とかを学び、複雑ななが〜い計算が絡んでくるともっと面白いと感じる人。
ギタリストになったのは「単純に格好良かったから」、でも同時に物理学の「抽象的な概念を定式化するみたいなことが格好良い」と矛盾なく言える人。研究か、音楽かの選択で、生活のことを深く考えることなく「音楽とっちゃったんですよねぇ」と力みもなく言う人。馬場さんのインタビュー記事をこちらからお読みください。とても興味深いです。
http://www.squeeze-jp.com/vate/vate21/interview.html言葉の端々に理系頭脳の持つ透明さを感じます。それが生き方にも演奏スタイルにもそのまま出ているように見受けます。物理学科で「すごい教授」や「変わった人」がまわりにたくさんいて、逆に『個性とかは最低限でいいんだ、最低限で個性は表現できるんだ』と悟る明晰さと、その悟りを自然体でゆる〜く実現している茫洋とした大きさ、それが馬場さんの個性かもしれません。
馬場さんの演奏姿はどちらかと言うと地味です。難しいテクニックも音の素晴らしさも、さりげなく演奏されると、そんなに難しくないんだと思わせる地味さがあります。「曲に感情移入する必要はない、それは簡単なことで自分がなりきればいいだけのこと、自分が悲しかろうが楽しかろうが、その出た音に反応する、個とかではなくて、音に捧げるというか、そういう演奏がしたい」と言われる馬場さん。文系の私の頭ではちょっと理解しにくい理論ですが、それを目指して演奏すると、心持ちうつむき加減で、出てくる音に聞き入りながら演奏するスタイルになるんだなと、それだけは分かるような気がします。
いろいろ書いても、馬場さんは多分「あまり深くは考えていないんですけど」と言われそうなので、この辺で。
お席は早々と半分埋まりましたが、まだ余裕があります。個性豊かなお二人の演奏をご一緒に楽しみませんか。ご予約はジャズ多摩のメール、またはトレーノノッテ(042−373−7323)にどうぞ!
posted by JAZZ多摩 at 13:59| 東京 ☀|
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